正式名称を「土地改良区」という農家の組織で(全国に4,869組織(H25年度末現在))、公益法人として県の認可を受けて設立された団体です。地域農業の発展のため土地改良事業を推進し、農地の整備や農業水路の維持管理を行います。
土地改良区は、地域により開かれ、より身近に感じてもらえる改良区をめざし、「21世紀土地改良区創造運動」を全国ですすめています。
土地改良区にふさわしい愛称を広く募集し、全国投票を経て、平成14年10月に決定となりました。
「水」…… 農業用水、地域用水など。
「土」…… 土地、農地、土壌など。
「里」…… 農村、農家や地域住民が一体となった生活空間など。
『水土里』…… 豊かな自然環境、美しい景観を意味し、おいしい水、きれいな空気など清廉なイメージを表現しています。
『水土里ネット』…… たとえば □□土地改良区 → 水土里ネット□□
新潟県土地改良事業団体連合会 → 水土里ネット新潟
H15年度排水事業の集大成である国営西蒲原排水農業水利事業の完工にあわせ、過去の土地改良事業の経緯や土地改良施設の持つ多面的機能について関心と理解を深める啓発方法を模索した結果、管内の史実を題材とした劇団と出会い、ミュージカル公演を計画。公演にあたり、地域との一体感を高めるため一般出演者を公募し、地元12名が出演。
当日は537名の来場があった。
西蒲原排水中央管理所一階に展示室を開設し、水管理システムと併せ視察者の説明やイベントの拠点として活用。地域資源の管理者として農家はもとより地域に開かれ、地域から支えられる土地改良区を目指すと共に、「西蒲原土地改良区総合基本計画」を策定し、地域一体型の管理体制を確立する方針。
混住化の進行した亀田郷管内では、農地や道水路、近年建設された高速道路沿線へのゴミの不法投棄が問題となっていました。そこで新潟市、東日本高速道路(株)、水土里ネットで組織する亀田郷不法投棄対策連絡協議会が主体となり、国・県・市の行政機関、警察署、水土里ネット新潟、亀田郷建設業協会など事業者の協力を得ながら、平成14年度から一斉清掃を開催しています。毎年6月の第一日曜日に行われる一斉清掃は、地域の行事として定着し、平成26年度は過去最高の1,328名が参加しました。年々ゴミの量は減ってきてはいますが、悪質なゴミ投棄はなくなっていません。
また協議会では、関係機関による合同パトロールや監視カメラの設置などゴミを捨てさせない環境作りにも取り組んでいます。
水土里ネット亀田郷事務所に隣接する水田を体験田として借り受け、平成12年度から毎年、田植え体験会と稲刈り体験会を実施している。毎年田植え・稲刈りとも約200名の方から参加いただいている。作業体験の後はおにぎりと豚汁の昼食を提供するほか、農業にまつわる講話や、地元農産物の販売など行っている。
体験田で刈り取られた稲は、精米後に田植え・稲刈り体験会の参加者に配布するほか、関係機関(新潟市食育・花育センター)で実施されるイベントで試食会として提供したり、地元神社で11月23日に行われる新嘗祭に奉納している。
水土里ネット吉川では農業生産基盤ブロジェクト会議の課題を専門委員会・理事会等で審議し、中山間地域が地区編入される場合の一般経常賦課金を通常の3分の1とすること等の受け入れ体制を整えると共に県営農地環境整備事業を推進し、これに関する地区の将来構想の樹立を進めることとした。
現在ではこれまでの経過を踏まえ、新潟大学農学部による中山間地域の新しい整備工法「平行畦畔型等高線区画」を役職員で検討し関係機関や地元と協議を重ねて、最大限の努力で地域の理解とより良い成果を生み出し吉川全体の発展に資することに努めている。
吉川区でのフィールドスタディは「ブナの森から農業と農村を考える」をテーマとして、毎年延べ4日間にわたり行われている。水土里ネット吉川管内においては、土地改良区の役割、農業用水の長い歴史と土地改良施設の取水堰や分水堰、水源地となるブナ林を見学しながら、水土里ネットが果たして来た役割と効果を勉強いただいている。
フィールドスタディをきっかけに、OBが設立した『法政米米クラブ』の活動が定着するとともに地域の活力となって益々絆が深まっている。特に面白い例は、歌手になった卒業生(法政米米クラブ員)で、第29回NHK紅白歌合戦にも出場した“庄野真代さん”の好意で『風のささやきコンサートinよしかわ』が開催となった。「飛んでイスタンブール」は、特別な思い出の曲となっている。
豪雪地域にあり積雪の処理には苦難がある地域で、降雪や住宅の屋根から下ろす雪の処理ため「流雪溝整備計画」に取り組み、その利用する水源が当水土里ネットで管理するダム施設であることから、土地改良事業に付帯する事業に位置付けることができ、また、十日町市(旧川西町)からこの費用の助成を得たことによって、新たな財源として組合員の負担の軽減につなげた。
組合員には、県道及び市道脇の水路に市が取得した水利権によりダムから放流した水を頭首工や分水工など農業施設を経由しながら流雪溝に投雪できる事や施設の大切さや維持管理などの必要性などを説明。地域住民からの十分な理解と協力でしっかりした運用がなされている。
地区ランドスケープジオラマは、出前授業等の際に自動車での運搬を行えるよう、東部地区と西部地区を分割できるように制作。また、土地改良施設等20箇所に電飾加工を施し、スイッチを押すと対応する施設の場所が光ると同時に説明音声が流れる仕組みとし、児童自ら学べるよう工夫。
降雨実演型ジオラマは、同じ地形で『森林が茂った緑豊かな山パターン』と『緑がない荒廃した山パターン』を並列して設置した。スイッチで作動するポンプ循環型のシャワー装置を用いて水を流すことで、森林の有無の違いを体験できる。
実際に児童たちに各ジオラマを操作して、机上の学習だけでは学ぶことができない体験型学習の効果を実感している。