農業生産の維持・確保のため、田んぼや畑の区画整備や農作物を運搬する農道の整備、田んぼに必要な水を送るための用水路、使った水を流す排水路の整備。そして田んぼに使う水を確保するためのダム、頭首工などの建設を行います。
地域を通る農業用水路などの施設は、生態系を崩さないよう環境に配慮した設計により造成されています。また農村の憩いの場としても利用できる環境への工夫がされています。
本事業は、「数年に1回行うような施設の整備補修」に対する助成制度で、施設管理者の意識の高揚を図り、施設の機能の保持と耐用年数の確保を目的とするものです。
各事業参加土地改良区等は5年間拠出(30%賦課金を5年間均等割)する事で、事業実施年度に国(30%)、県(30%)の補助金を上乗せされた90%交付金を受け、事業実施土地改良区等が当該年度負担金(10%賦課金)をもって事業(100%)を実施します。
新潟県内の基幹的農業水利施設(受益面積100ha以上)の再建設費は1兆4千5百億円と言われ、団体営規模の施設を加えれば膨大な施設の維持管理、補修、更新に対応する必要があります。
今後、耐用年数を迎える施設が増大するため、施設の強度や老朽度合等の機能診断を行い、ライフサイクルコストの観点から計画的な予防保全と更新を図る必要があります。
本会は、水土里情報と連携した施設管理台帳の整備、コンクリート診断士等による施設の機能診断と保全計画の樹立等を支援します。
平成18年度農林水産省調べ(平成17年度時点)
基幹的農業水利施設数
ダム、用排水機場等579施設
用排水路 2,681km=1,254施設(路線)
計1,833施設
新潟県の農地の整備率は60.0%(91,961ha)になりました。整備済みほ場整備実施地区における農地集積率は84%。また、1ha以上の大区画化整備が進んでいる状況です。
事業名等 | 事業概要等 | 事業主体 | 創設年度 |
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国営造成施設管理 | 直轄管理事業
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国 | 昭和35年度 |
広域農業水利施設総合管理事業
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国 | 平成元年度 | |
国営造成施設県管理費補助 |
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都道府県 | 昭和37年度 |
基幹水利施設管理事業 |
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都道府県 市町村 |
平成8年度 |
国営造成水利施設保全対策 |
国営造成水利施設保全対策指導事業
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国 | 平成15年度 |
国営造成水利施設保全対策推進事業
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国 | 平成15年度 | |
ストックマネジメント技術高度化事業 |
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国 | 平成20年度 |
事業名等 | 事業概要等 | 事業主体 | 創設年度 |
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国営造成施設管理体制整備促進事業 |
操作体制整備型
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市町村 土地改良区 |
昭和60年度 |
管理体制整備型
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都道府県 市町村 土地改良区 |
平成12年度(平成26年度拡充) | |
基幹水利施設保全管理対策(施設管理技術者育成対策) |
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都道府県 | 昭和15年度 (平成23年度組替) |
事業名等 | 事業概要等 | 事業主体 | 創設年度 |
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国営施設機能保全事業 |
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国 | 平成23年度 |
国営施設応急対策事業 |
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国 | 平成24年度 |
特別監視制度 |
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国 | 平成23年度 |
水利施設整備事業(基幹水利施設保全型)※注1(旧 基幹水利施設ストックマネジメント事業) |
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都道府県 市町村 土地改良区等※注2 |
平成19年度 |
水利施設整備事業(地域農業水利施設保全型)※注3(旧 地域農業水利施設ストックマネジメント事業) |
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市町村 土地改良区等 |
平成20年度 |
農業水利施設保全合理化事業 |
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都道府県 市町村 土地改良区等 |
平成24年度 |
土地改良施設維持管理適正化事業※注4 |
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土地改良区等 | 昭和52年度 |
※注1:農業競争力強化基盤整備事業、農山漁村地域整備交付金等により実施
※注2:農業競争力強化基盤整備事業は都道府県のみ
※注3:農山漁村地域整備交付金等により実施
※注4:土地改良企画課所管
事業名等 | 事業概要等 | 事業主体 | 創設年度 |
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農業水利施設省エネルギーシステム導入推進モデル事業(環境省連携) |
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国 | 平成26年度 |
土地改良施設PCB廃棄物処理促進対策事業 |
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市町村 土地改良区等 |
平成22年度 |
農山漁村活性プロジェクト支援交付金 |
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土地改良区等 | 平成19年度 |
食料・農業・農村基本計画(平成22年3月30日閣議決定)では、良好な営農条件を備えた農地や農業用水等を確保するため、農業生産基盤の保全管理・整備を効果的・効率的に実施することとしていますが、近年の農村地域における農業従事者の高齢化や都市化・混住化に伴う集落機能の低下に起因して土地改良施設の管理が複雑化・困難化している現状にあります。
また、意欲ある農業者への農地利用集積の促進や効率的な農業経営には、土地改良区の機能を強化することが課題となっています。
これらのことから、土地改良区の統合整備の推進、土地改良施設の管理の円滑化、農地利用集積の推進及び役職員等の技術力向上等の土地改良区の体制強化対策を総合的に実施する事業です。
土地改良施設の診断指導
定期及び要請により診断を実施し、土地改良施設の的確な整備計画策定や施設機能の維持保全方法についての指導。
定期診断指導 要請による診断指導 |
ダム、頭首工、揚水機場、排水機場、樋水門、溜池、水路、その他 |
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土地改良相談等事業
土地改良区の運営、土地改良事業計画の樹立及び実施、その他土地改良事業にわたる諸問題についての相談に応ずるため、面接や現地における助言指導。
換地計画作成研修会
換地技術者を養成するための研修会の開催。
主な研修内容
換地理論、換地をとりまく情勢について
換地計画指導者実務研修会
換地委員、役員を対象に研修会を開催。
換地処分実務研修
土地改良換地士、その他換地処分事務に従事している換地技術者を対象に研修会を開催。
主な研修内容
表示に関する登記、確定測量、土地評価、換地清算、代位登記実務、換地計画作成、換地計画審査のポイント、換地関係異議紛争の現状と課題
換地指導業務
換地実務、換地処分遅延防止、換地選定について指導。
新潟県の農地の整備率は60.0%(91,961ha)になりました。整備済みほ場整備実施地区における農地集積率は84%。また、1ha以上の大区画化整備が進んでいる状況です。
もとの10aの広さの田んぼを30a~100aに整備します。これは大型の農業機械による作業がしやすくなるので、作業の効率化が図られます。また、水の管理もやりやすくなります。
その結果、労働時間の短縮や経費の削減ができます。
ほ場整備を実施する際、地元地区の皆さんでより良い利用方法を計画します。担い手に農地集積を進め、経営規模の拡大や組織化・集落営農などへの機会になります。将来の地域農業について地域で話し合い持続的かつ発展的な形態に向け進みます。
組織の法人化を進めます。労働体制が整い、合理的な営農を進めることができることにより、労働時間の短縮につながります。
また、複合営農などさらなる展開が期待でき、活発な地域営農に発展します。
長岡市南部に位置する1級河川渋海川中流域の右岸に展開する農業地帯において、農業就業者の減少や高齢化が進む中、生産基盤が脆弱であったため大型機械の導入や農作業の受委託に支障をきたしていた。
平成15年度より県営ほ場整備事業(担い手育成型)に取り組み、31.9haの区画整理、27.7haの暗渠排水を実施し、農地の大区画化、汎用化を図った。
また、これを契機に地域農業の受け皿となる農業生産法人を設立し、利用権設定を中心に農地の流動化を進めた結果、平成23年事業完了時には、農地集積率90.6%、地区内経営面積28.9haと担い手の確保、育成に大きな成果をあげている。
営農に関して、使用される農薬の回数、化学肥料の窒素成分量は半減以下として、特別栽培米コシヒカリ、なたね、そばを作付け。なたねは、長岡市が推進する“資源・エネルギーの地産・地消による循環型社会の実現”のための『ながおか菜の花プロジェクト』への参画が契機となって栽培し、《なたね→菜種油→油かす→堆肥→なたね栽培》の資源循環を進めている。
小国特産の「八石なす」のほか、「枝豆」「カリフラワー」などの野菜の産地化の取り組みを進めている。
お米(コシヒカリ)に特化した農業大県の新潟において、特に魚沼産コシヒカリは全国トップブランドとなっています。新潟産コシヒカリは炊き立てはもちろんのこと、“冷めても美味い”と高い人気で、おにぎりにもぴったりの食味です。
土地改良事業により農業生産基盤が整備され、各地域でお米以外の農産物も生産が向上し、その味と魅力を各地に届けています
県営ほ場整備事業で平成15年度完成した四日町地区は信濃川沿いの未整備水田の大区画化と用水のパイプライン化で農作業の効率化を図り、農地の集団化を促進。また、農村公園・一級河川・都市計画道路・きのこ培養センターの用地の捻出を行い、生活基盤の整備にも大きく寄与している。
現在では地区内に生産組織が立ち上がり、日本一美味しい「魚沼コシヒカリ」の低コスト高生産体系を実現。また、きのこ培養センターで接種・培養された「エノキ」は市内各所で育成され、「十日町産エノキ」として全国に出荷され高い評価を得ており、米と肩を並べる販売高となっている。
新潟県のほぼ中央にある柏崎市の東部に位置しており、2級河川鯖石川と八石山に囲まれた農村地域である。
基幹作物は越路早生を中心とした水稲であるが、事業実施前において、1戸当たりの経営耕地面積が0.9haと小さく、すべてが個別経営となっていた。
また、過去に整備された区画は10aと狭く、大型機械の導入が困難な上、用排水路は老朽化が著しく維持管理に多大の労力を費やしている状況であり、また、近年の米価の低迷、農家の高齢化等により、個人経営の脆弱化が進行し、将来の農業の展望が危惧されていた。
このため、今後の活力ある農業を展開するため、県営経営体育成基盤整備事業(一般型)を実施し、農地の汎用化と低コスト化を図った。
また、併せて地域農業の受け皿となる生産組織の設立と意欲ある農業者への集積により、大型機械化体系による農業経営の効率化の確立を図ったことにより、2法人を設立するとともに、2名の個人担い手を定め、農地集積を加速化させ、農地集積率81.5%と大きな成果をあげている。
また、農産物の加工、流通、販売などに向けた取り組みとして、事業実施により水稲作業の省力化が図られ、その余剰労力を活用し、地区の1法人が『はくさい』や『タラノメ』等の園芸導入や農家レストランの開設など、経営の多角化が図られている。
十日町市の北西部に位置する水田農業地帯であり、昭和46年から53年にかけて県営ほ場整備事業により30a区画に整備、平成13年度より県営土地改良総合整備事業で、暗渠排水工事とパイプライン工事を行っています。施工した田は乾田化が図られ大型機械が楽に作業でき、耕作者から高い評価を得ている。
現在地区内には、5つの経営体組織が順調に立ち上がっており、今後はパイプライン工事を促進し、用水路の老朽化による通水障害の解消による配水の平等化と時間圧縮によるさらなる担
い手への集積を目指している。
吉川西部地区内は、昭和初期から昭和40年頃にかけて10a区画程度の一次整理がなされたものの、経営規模が零細なうえ耕地が分散していることから、農業の近代化が阻害されたままとなっていた。平成4年度から平成12年度にかけて国営農地再編整備事業を実施し、区画は30a~50aに整備され農業用水の安定的な確保と農業経営の合理化が図られた。
このことによって、吉川区の平場に位置する事業工区では、事業前は346haの水田を約270戸の農家が戸別営農に取り組んでいたが、事業後は10組織の生産組合に農地が集約され、大幅な作業効率の向上が図られている。
また、創設非農用地においては、『杜氏の郷』という新しい大字名を新設し、その敷地には、『よしかわ杜氏の郷』等の施設が建設されており、近年では数々の酒造部門の賞を受賞するなど地域文化の発信拠点として重要な役割を果たしている。